世界初の本格的なベーシック・インカム調査で人々の主体性が向上!? – UBIで起きる真の大転換とは

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心・心理学

GESARAの本格的な発動によって起きるイベントの1つにユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)があると言われています。

誰しもが「お金の心配が要らない」世界を目指す上で重要な要素です。そして諸外国では既にベーシックインカムに関する実験が行われてきました。

今回、よりUBIに近い形での世界初の本格的なベーシックインカムに関する調査結果のレポートが公開されました。そこでは人々の主体性が向上するなど、一定の効果があったとされています。

ただ一方で解釈には結構ばらつきがあり、その要因としてUBIによる真の大転換にはまだ程遠い実験だったためだと考えます。

GESARA発動後のUBIを見据えつつ、今後起きる大転換について考察してみました

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世界初の本格的なベーシック・インカム調査結果が明らかに

ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)とは、全ての市民に無条件で一定金額を毎月給付する政策のことです。

調査を行ったのはOpenResearchという研究団体で、OpenAIのCEOサム・アルトマンが6000万ドルの資金を提供しています。

アルトマン氏は、今後AIによる雇用破壊のセーフティネットとしてUBIを捉えているそうです。

これまでのベーシックインカムの実験では、月に5万~7万円程度だったのが、この実験では16万円となっており、本格的なUBIの実験と捉えられるものでしょう。

実験の対象者や期間は次のような形でした。

  • 期間:2020年11月から2023年10月まで(約3年間)
  • 対象者:米国のテキサス州とイリノイ州に住む21歳~40歳までの成人3000人(4人家族を前提にした世帯所得が7万7250ドル未満、中流よりやや下くらい)
  • 手続き:1000人に毎月1000ドル(約16万円)を支給、対照群として2000人には毎月50ドル(約8000円)を支給

この実験を通じてUBIの実現可能性とともに、効果として経済的安定・精神的健康・社会的影響などの観点から効果を検証しました。

調査の詳細はこちらの記事に詳しくありますが、結果の概要として以下のように書かれています。

この研究の結果から、無条件の現金給付が個々の状況に応じた柔軟な雇用決定を促進し、人々の主体性を高めることが示されました。現金給付は、受給者にとって選択肢を広げ、彼らの生活の質を向上させる手段となっています。さらに詳細な分析や今後の研究が必要ですが、初期の成果はUBIの潜在的な利点を示す重要な一歩となっています。

サム・アルトマン、ベーシックインカム研究機関の役員として初の成果を報告https://note.com/akikito/n/n0b7a5d9a9c5b

注目するのは、「人々の主体性を高める」「選択肢を広げ、彼らの生活の質を向上させる手段」など、生き方を広げて、やりたいことができる状況を作れたことでしょう。

また生活スタイルやお金の使い方については、こちらの記事に数字とともに書かれています。以下にいくつか抜粋しました。

  • 1年間のうちに歯科を受診する割合が約10%高かったことが判明。また、毎月1000ドルを支給された被験者は、健康保険料を除いた医療費の負担額が1月当たり20ドル(約3100円)増加していた。
  • 問題のある飲酒を行う割合が20%減少した。
  • 月の支出が310ドル(約4万8000円)増加した。最も支出が増加したのは、食費・家賃・交通費で、数値としては食費に67ドル(約1万円)、家賃に52ドル(約8100円)、交通費に50ドル(約7800円)。
  • 1000ドルを支給された被験者は他者への支援に月22ドル(約3400円)を費やした。
  • 1000ドルを支給された被験者は週あたりの労働時間が約1.3時間減少したことや、積極的に仕事を探す可能性が10%高まった。
  • 世帯収入と個人収入の増加幅は毎月50ドルを支給された被験者の方が大きかった。
Gigazine:ベーシックインカムのような無条件の現金給付の可能性についての大規模な調査研究結果が公開されるhttps://gigazine.net/news/20240723-basic-income-survey/

一定の結果は得られたようにも思えますが、その解釈を巡っては結構バラバラの印象も持ちます。上記のGigazineでは肯定的な書き方ですが、”効果がなかった”と評価する記事もあります。

たとえば以下の記事では、”暮らしや健康の向上に効果ナシ”というタイトルとともに、全然効果がなかったと言う論調で書かれています。

ある調査で毎月約16万円が支給されるも、暮らしや健康の向上に効果ナシ
夢のベーシックインカム、全然ダメだった...。OpenAIのCEOサム・アルトマンはベーシックインカムの提唱者としても有...

どうしても調査研究の結果については、解釈次第でどのようにも書くことができると言う側面はあるでしょう。

今回の調査については、アルトマン氏によるOpenAIを普及させるための”トロイの木馬”ではないか、という見解もあるようで、その結果として推進派と反対派が出てくるのかもしれません。

OpenAIが「ベーシックインカム」を激推しするワケ
ここ数年、テック業界は困窮した人々に対し無条件で月額500ドルか1000ドルを試験的に給付してきた。こうした実験の一部が...

UBIで起きる真の大転換とは?

今回のOpenResearchによるUBIの実験は、人数・金額や実施期間などからして、初の本格的なUBI実験が行われたと言えます。

こうした実験手法は、サンプリングを行うことにより、母集団(この場合は全世界の人々)にUBIが行き渡った時の効果を推測するものとなります。

しかしUBIに関しては、誰しもがお金が行き渡ると言う状態が起きてみないと、真に何が起きるかわからない、と言う側面があるように思います。

そもそも全員が一定に給付を受ければ、「柔軟な雇用決定が…」など、既存の働き方の価値観が崩壊するものと思われます。

また3年と言う期間だけでは、まだ価値観の転換に至らないことが多いでしょうし、社会全体の仕組みが変わらないことには、お金に対する捉え方も変化しにくいでしょう。

UBIを含む、お金の返還・給付の究極的な目標は、「お金の心配がない」状態を作ることで、その先にはお金がなくても感謝の循環で、”お互い様”で生きていける世界なのです。

さらにアルトマン氏はむしろUBIよりもユニバーサル・ベーシックコンピューティング(UBC)を述べており、AIによる新たな技術を多くの人が使えるようになることを重視しています。

まだその意味合いが分からない部分もありますが、既存の価値観だけでユニバーサル・ベーシック・インカムを捉えると、その評価を誤りそうに思えます。

しかし「人々の主体性を高める」「選択肢を広げ、彼らの生活の質を向上させる手段」などは、GESARA後の世界においても、大切な要素です。

UBIの実験が進められ、GESARA世界に向けて着実に進んでいるように思われます。

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