『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーから見る人間の本質と5次元世界

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当ブログで、3次元・5次元の思考について、何度か書いてきました。GESARA法の発動をきっかけに始まるとされる新世界は、5次元思考の世界です。

5次元思考は、愛と調和の思考とも言われ、時間や空間の感覚を飛び越えられると言われています。

さて、こうした次元上昇の話題は、現実世界に先んじて、漫画やアニメの中で描かれてきました。

その1つに、荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』があります。本作は人間の精神力や時間・空間の超越などが描かれる興味深い作品です。

今回特に注目するのは、最大の敵とも言えるディオ・ブランドーの発言・考え方や、彼が目指した世界です。

彼の言動を掘り下げるとともに、彼がなぜ敗北したのかを考えることで、反対に5次元思考の本質が見えてくるのではないか、と考えました。

今回は『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクター、ディオから3~5次元世界の思考と、人間と言う存在の本質について考えてみようと思います。

※『ジョジョの奇妙な冒険』の物語を知らなくても読めるように工夫しましたが、ネタバレを含んだ内容となりますのでご注意ください。

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ディオによる3次元思考で生きる人間の本質をついた発言

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』は、ジョナサン・ジョースターとその血を受け継ぐ者たちと、石仮面の力で吸血鬼となったディオ・ブランドーやその因縁との、1世紀以上に亘って繰り広げられる戦いの物語です。

アクションやホラーを軸とした作品ですが、「人間讃歌」がテーマの作品で、人間の本質を突くような内容が多く含まれています。

今回は最大の敵とも言われる、ディオに焦点を当てます。少し彼の紹介をしておきましょう。

ディオは、19世紀のイギリスで貴族のジョースター家の養子となり、ジョースター家の財産を乗っ取ろうとする中、石仮面の力で吸血鬼となり、不老の肉体を手に入れます。

作品の第1部でディオは、主人公のジョナサン・ジョースターに倒されたかに見えました。しかし100年後にディオは復活し、世界を征服しようとするのが、第3部の物語です。

(『ジョジョの奇妙な冒険』は第1部から第8部まで存在し、それぞれのストーリーは緩やかに連関しています)

ディオは世界征服を進める中で、人間の本質について述べるシーンがあります。特に重要な部分を取り出すと、下記のような内容です。

人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きている。

ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダーズ⑨(文庫版16巻)荒木飛呂彦 株式会社集英社

※なお詳しい発言内容は、下記のページに詳しく書かれています。

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この後には、お金や名声を手に入れるのも、また人の役に立つことや愛や平和のためだと言うのも、全て安心を得るためだと述べています。

この発言は、3次元思考で生きている人間の本質をついた発言だと考えます。重要な部分は、人間は常に不安や恐怖の中で行動している、という点です。

人間は空間+時間と言う4次元の世界で生きながら、時間の中を自由に移動することはできない、3次元世界の存在です。

つまり4つ目の次元である時間を自在に移動できない故、次に何が起きるのか、そしてその先どうなっていくのかがわからない、ということです。

だからこそ3次元の中でしか自由に生きられない人間は、時間と言う流れの中で不安や恐怖を感じるのです。そして少しでもその不安をかき消そうと、あらゆる形で安心を得ようとするのです。

ディオがこういった発言ができたのは、いくつか理由があるでしょう。1つには、彼自身は人間を超越し、圧倒的な力を手にしたからです。

絶大な力を得た彼にはカリスマ性もあり、多くの者が付き従い、手下となりました。彼には金も名声も、人を支配することもできるようになり、安心を得ることができたのです。

これは3次元的な世界における安心を得たと言えるでしょう。

もう1つには、彼は不老の肉体となったことも大きなポイントです。人間にとって”老いる”ことは、苦しみの1つだと仏教では考えています。

仏教では人間の苦しみを、四苦八苦であると説きました。四苦は、生病老死の苦しみと言われ、人間誰しもが逃れられない運命です。

人間の不安や恐怖の根本には、これらの苦しみがあると言えるでしょう。

人間は自身の避けられない苦しみから来る不安が拭い去れないため、目に見える形でお金や名声、また承認欲求や自己実現など、心の安心も得ようとするのです。

そして老苦から脱することは、ある意味で”時間から自由になる”ことでもあります。「限られた人生」という縛りがなくなることは、時間からの解放でもあります。

つまりディオは3次元の安心だけでなく、時間の制約を克服した4次元世界の安心を得つつあった、と考えられるのではないでしょうか。

ディオのスタンド「ザ・ワールド」が目指した世界とは?

ディオが3次元だけでなく、4次元世界における安心を得ようとしたことは、彼の「スタンド」からも窺えます。

『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部では精神エネルギーが具現化した「スタンド」が登場し、個性的な能力が主人公たちを苦しめることとなります。

そしてディオのスタンド「ザ・ワールド」の能力は、時を止める能力でした。

さらに時を止めた世界の中で、自分だけ動くことができるのです。最初はほんの一瞬しか止められなかった時間が、慣れてくると何秒も止められるようになりました。

この「時を止める能力」こそ、彼が4次元世界を支配しようとしたことを物語っています。

先ほども述べたように、私たち人間が生きている世界は、4次元の世界です。4次元の中では、時間の流れは一定であり、その流れは絶えず進んでいきます。

私たちの生きる世界では時間の流れがあるために、常に一定のものはないのです。仏教では「諸行無常」と言って、何事も常に移ろいゆき、一定ではないことを教える言葉があります。

ディオのスタンドは、「諸行無常」の時間の流れを止めることができるのです。彼だけが「諸行無常」を止めることができ、止めた世界の中で生きられるのです。

しかしこうした能力は、使う側の心によって良くも悪くもなります。彼はこの能力を人に恐怖を与え、攻撃するために利用しました。

つまり彼は3次元に生きる人々を支配するためにこの能力を使いました。どうやら彼には4次元世界に存在しながら、3次元的な欲求への執着からは逃れられなかったように思います。

結局、彼は主人公である空条承太郎に敗北を喫することとなります。承太郎も土壇場で時を止めるというディオと同じ能力を開眼し、同じ土俵で戦うことになりました。

ディオが敗北した理由、それは承太郎が5次元の愛と調和の思考だったからではないか、と筆者は考えます。

漫画やアニメで描かれる「正義VS悪」の構図では、悪が4次元思考で正義が5次元思考である場合が多いように思います。

悪は3次元世界を支配しようとする4次元思考の存在ですが、同じように4次元世界に立てる5次元思考の正義には、最終的に敗北することになるのです。

このように、漫画やアニメは私たちに5次元思考を教えてくれるものなのかもしれません。

「天国に行く方法」- 目指すは5次元の支配?

ディオが戦いに敗れた後にも、回想でディオが登場する場面があります。そこには、4次元を支配しようとしたのとは異なるディオの側面が見てとれます。

それは、第6部の物語でプッチと会話するシーンです。後に神父となるプッチは、スタンド能力の素質のある者を探していたディオと出会い、懇意になります。

そこでディオは「無敵の肉体や大金を持つこと、人の頂点に立つことでは、本当の幸福は得られない」と語っています。彼は3次元的な欲求を満たしても、幸せになれないことを実は知っていたのです。

そしてディオの最終的な目的は「天国に行くこと」であると述べます。「天国に行く」とは精神の進化によって行きつく最終地点を意味していたようです。

彼は「天国に行く方法」を発見したものの、承太郎との戦いに敗れました。そこでディオの意思を引き継ぎ、プッチが天国を目指すことになったのです。

※ディオの発見した「天国に行く方法」について詳しくはこちら

物語ではプッチが「天国に行く方法」を実行しました。その結果、彼のスタンド能力は進化し、時を加速させる能力を身につけることになります。

そして時の加速をどんどん速めることで、宇宙が一巡しました。この能力は、パラレルワールドを生み出し、新たな世界線を作り上げる能力と言っても良いでしょう。

新たな世界で生きるものは、既にその運命が過去に決められ、”知った状態で”生きることになります。未来を知る者は、不安を感じることがなく、幸福を感じるのだ、とプッチは述べます。

彼は、定められた運命を生きる人々の中でただ一人、運命を変えられる存在として生きようとしました。つまり時を加速させ、異なる世界線を作り出す、5次元の支配を目指したと言えるでしょう。

筆者は、5次元とは複数の世界線を行き来できる状態ではないか、と考えます。プッチのみが、そうした5次元世界を生きる存在として、新世界を支配しようとしたのです。

それ以外の人々は、未来に何が起きるか分からない、3次元の不安からは解放された世界に生きていますが、5次元世界へと上昇することは許されないのでした。

プッチが実現させた新世界ですが、結局彼は自らの運命にある因縁を断ち切ることができず、敗北しました。

彼は5次元世界へと進むことはできたものの、やはりそれを支配しようとしたところに敗因があったように思います。

ここまでディオ、そしてプッチが受け継いだ「天国」について見てきましたが、複数の世界線を行き来する5次元の世界へと足を踏み入れた、と考えることができるように思います。

しかしやはり5次元世界では、そこに生きる者の””が重要になるようです。人々を支配しようとしたディオ、プッチはともに敗北することになりました。

真の安らぎ、平穏は支配の関係にはないはずです。愛と調和の世界とは、お互いを尊重しながら何の不安もなく生きられる世界のことだと思っています。

ディオやプッチの目指した新世界は、着眼点としては正しかったものの、その”心”のあり方に問題があったのだと考えます。

「世界線」について触れている当ブログの記事

まとめ

今回は『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するディオの言動から、人間の本質や3~5次元世界について、考えを広げてみました。

様々な話題が飛び出したので、ここまでの話をまとめていきましょう。

まず、ディオは3次元世界における恐怖や不安を克服し、安心を得ようとしていたことが分かりました。それは、3次元世界に生きる人間の本質を突いた発言からも読み取れます。

そして不老の肉体を手にし、「時を止める能力」を身につけたことで、4次元の世界を支配しようとしたのだと考えられます。

しかし4次元思考とは、どうやら3次元の欲求から抜け出せない世界のようです。3次元の中を自在に生きること自体が、目的となってしまうように思われます。

またディオ自身は、3次元的な欲求を超えた、真の幸福を求めていたこともわかりました。それは異なる世界線を作り出し、その新世界を支配しようと言う野望だったようです。

その達成に近づいたのは、ディオの友人で会ったプッチでした。しかし彼もまた5次元世界を支配しよとしたため、その計画は失敗に終わりました。

5次元世界は、愛と調和の世界だと言われています。そのような心のあり方になれなかったため、プッチは敗北したのかもしれません。

このように『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクターや設定を考えることで、3~5次元世界について知ることができました。

私たちがここで学ぶべきことの1つとして、3次元思考を乗り越えた先に、5次元思考になることを目指すべきで、4次元思考になってはいけない、ということです。

どうやら4次元思考は、漫画の世界で言うところの”悪役”の思考のようです。3次元世界を支配しようと言うマインドになってしまうようで、5次元思考に似て非なるものです。

3次元的な執着から真に離れることが5次元思考のように思われます。今回取り上げたような、漫画・アニメの世界から、その方法のヒントがあるのかもしれません。

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