「自分が変われば世界が変わる」とは、スピリチュアルでよく言われる言葉です。
一方でこの言葉に対して、「自分が変わっただけでは、世界の情勢は変わらないじゃないか」という現実主義的（に見える）指摘がよく飛んできます。
この発言は難癖とも言えますが、私たちは「大いなるものに動かされている」という感覚が一方であることはよく分かります。
「自分が変われば世界が変わる」「大いなるものに動かされている」という2つの説明は、一見相反するように見えますが、実はともに成り立っているのがこの世界です。
今回は大きな話になりますが、私たちは自分自身と世界の関係をどのように捉えれば良いのか、エネルギーの巡り方から考察してみます。
「自分が変われば世界が変わる」「大いなるものに動かされている」をエネルギーの流れから考える
「自分が変われば世界が変わる」「大いなるものに動かされている（＝自分では変えられない）」は相反する2つの説に見えますが、実はこの世界をどちらも言い表すものです。
私たちが2つの異なる説明に思えるのは、私たちが”目に見えるもの”でしか世界を認識できないからです。2つの説がともに成り立つには、まず以下の前提を知っておく必要があります。
世界の本体はエネルギーの循環で、それを映像化したのが目に見える世界である。
私たちは人間や動物、自然や物体あらゆる形のあるものを見ていますが、その本体はエネルギーであり、エネルギーの循環です。
そしてそのエネルギーの循環を、私たちが見ている世界に変換しているのが脳です。脳は様々な器官により、エネルギーを視覚・聴覚・味覚などの感覚に変換しています。
まずはこの前提を感覚的に捉えることが重要になります。その上で、「自分が変われば世界が変わる」「大いなるものに動かされている」の2つをエネルギーの循環から考えてみましょう。
自分が変われば世界が変わる
まずは「自分が変われば世界が変わる」という考え方ですが、上にある図を使って説明していきましょう。
図の下にいる男性が自分だと思ってください。私たちは自分を中心にしてエネルギーの循環が起きています。
男性の左には、私から発したエネルギーがあり、そのエネルギーは図の上に見える、他の人や動物、地球全体のあらゆるところを通り抜けて、最後に右の矢印で私のもとに戻ってくると言う循環です。
私自身が発するエネルギーがどこを通ってきたのか考えるのは途方もないことになります。
そこで世界全体はブラックボックスだとして、スタートとゴールだけ見ると、私を起点にして、私が終点になるというシンプルな循環になります。
そして私たちは、発したエネルギーと戻ってきたエネルギーの変化から、世界を認識しているのです。これが私たちが見ている世界は映像に過ぎない、ということです。
ここから考えると、私がどういうエネルギーを発するか、あるいは戻ってきたエネルギーをどう感じるか、という全て自分のあり方次第で、作られる世界の映像が変わるはずだ、ということになります。
つまり、たとえ自分の外側に何の変化がなかったとしても、自分を起点・終点としたエネルギーの循環が変化すれば、「世界の見え方が変わる」のです。
ここで大事なことは、私をめぐるエネルギーの話であり、世界の”見え方”が変わっているということです。
ちなみに、このようなエネルギーの流れを、原因・結果とするのが、仏教における因果の道理と言う考え方です。
※”世界は自分が映し出している映像”とはどういうことなのか？ – 自分が変われば世界が変わる理由
大いなるものに動かされている
私たちが世界を”認識”すると言う意味では、私をめぐるエネルギーの循環のみを考えれば良い、ということが分かりました。
しかしエネルギーの循環は私の周りだけで起きている訳では当然ありません。ありとあらゆる生物や物質に至るまで、全てエネルギーの循環が起きています。
そうしたエネルギーの循環が複雑に絡み合って世界は構成されており、あらゆるものの相互作用で出来事が起きたり、出会いや別れがあると思ってください。
このように世界全体を見渡せば、当然ながら自分だけではどうしようもないことの方が圧倒的に多いことが分かります。
そして世界全体のエネルギーの影響を私たちは受けており、それが「大いなるものに動かされている」と言う感覚に繋がるのです。
とは言え、私が発したエネルギーは必ず世界に影響を及ぼした上で、私の下に返ってきます。ですので、”思いもよらない不思議な出来事”が起きることもあります。
たとえば思わぬ人と道端で再会する、奇跡的に災害を免れる、など、私のエネルギーの循環次第で、世界からどのような影響を受けるか、も変化し得るのです。
ただし私が影響を与えられるのは、私に近いこと（それは物理的な距離の近さと言うよりも、エネルギーの近さと言えます）であり、遠くのことは影響しにくいでしょう。
家族のことであれば影響しやすく、遠い異国の社会情勢に自分が影響しにくいのは直感的に分かると思います。このようにエネルギーの近さに応じて影響度が変わってくるのです。
仏教では、私の外側にあるものすべてを縁と言います。縁はまさに「大いなる力で動かされる」感覚であり、縁次第で人生は変わる、と言われる通りです。
まとめ
大いなる力に動かされている感覚と、自分自身が全てを決めている感覚は相反するように見えて、実は両方が成り立っているのがこの世界の法則です。起こるイベントはあらゆるものの相互作用で生じていますが、その影響をどう受けるかは自分次第、と言うように両者が成り立ちます。
— よっしー(ありすママファミリー) (@ych369) September 26, 2024
今回は「自分が変われば世界が変わる」「大いなるものに動かされている」という2つの説明が、実はどちらも成り立っているということを解説しました。
両者は見ている視点の違いである、とも言えるもので、どちらかだけ見ていると世界の見え方がおかしなものになってしまうのです。
そして、実は仏教で既にこの2つの考え方は、因縁果という考え方でまとめられています。「因果が変われば世界が変わり、因果は縁に影響される」ということで、実は全て説明されているのでした。
私たちはここから何を学べるか、ということですが、まずは私たちの外に広がる膨大なエネルギーの循環に気を取られても、理解もできなければ制御もできない、ということが重要です。
「あれはどうなっているのか」と、自分の外側を気にすることを「心配」「不安」と言い、感じる必要のないことなのです。
実際のところ、自分がエネルギー的に影響を受けないことは、主観的には何も起きていないのと同じことであり、気にしても無意味です。
縁と言う壮大なエネルギーの循環を考えなくても、自分を起点・終点としたエネルギーの循環＝因果だけを考えれば、私たちは世界を認識できるのです。
私たちがどんなエネルギーを発し（原因）、どんなエネルギーを受けるのか（結果）を、実践を通じて知ることで、より良い生き方、すなわち波動の高い生き方ができます。
そう考えれば「自分が変われば世界が変わる」が金言であることが分かるでしょう。
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