テレビニュースが特定のプロパガンダを流すものであることは、”目覚めた”人たちにとっては常識となり、まともにテレビを見ることはなくなりました。
しかしまだ目覚めていない人たちにとって、テレビは情報源の1つであり続けています。とは言え、最近のニュースはますます理解しがたいニュースになり、さすがに違和感を持つ人が増えてきたようです。
なぜ違和感を持つようになったのか、の理由の1つに、テレビニュースで二項対立による演劇が崩壊し始めていることが挙げられます。
いわゆるA対Bのような、分かりやすい対立構造を作れない状況が、視聴者に違和感を抱かせるようです。
今回はそんな二項対立の崩壊を感じさせる最近の話題を取り上げるとともに、二項対立こそ3次元世界を支配するツールであり、それを乗り越えるために必要なことについて書きました。
”二項対立”では分からなくなってきた3つのニュース
先日、美容院で流れていたテレビニュースを見て、美容師さんが「最近のニュースはよくわからない」とつぶやきました。
この言葉が象徴しているように、このところ報道されているニュースは”分かりにくくなった”と言えます。その分かりにくさとは、単純な二項対立ではなくなった点があるように感じます。
つまり、正義VS悪のような単純な対立構造ではない、もう少し言えば、対立構造を演出できなくなってきた、と言うことができるでしょう。
ここではそうした事例を3つ取り上げてみましょう。
美容師さんが「最近テレビのニュースはよく分からない」と言っていました。「それはね」と説明したくなりつつ、とてもそんな時間はなかったですが、さすがに違和感ばかりのニュースが増えてきたのに気付いている人がいます。もはや日々のニュースどれもが強制お目覚め装置になっています。
— よっしー(ありすママファミリー) (@ych369) February 20, 2024
ナワリヌイ氏の死亡に関する報道
最近よく話題に挙がるのは、ロシアの反体制派の指導者であるナワリヌイ氏の死亡に関する報道です。
死因は「突然死症候群」であるとされていますが、遺体の引き渡しができないとしてナワリヌイ氏の妻や母親が訴えかけている、と報道されています。
こうした報道は、ナワリヌイ氏を”悲劇のヒーロー”のように仕立てて、情に訴えかけているように見えます。そして「プーチンは許せない」と言う感情を煽っているようにしか見えません。
これまでは国際情勢をよく知らない日本人であれば、このような劇場型の報道をすれば簡単に騙せましたが、最近はそう簡単にはいかなくなっているように思われます。
ネットを見ればいくらでも情報を探せる時代ですから、「なぜロシアとウクライナの対立は続いているのか」と考えれば、日本のメディアが報道しているような勧善懲悪の物語ではないのが分かります。
一生懸命プーチン大統領が悪者であると印象操作したい日本のメディアですが、さすがにわざとらしいことに気付いている国民は増えているように思います。
松本人志氏の活動休止をめぐる騒動
対立構造と言う意味では、少し前に松本人志氏の問題がワイドショーをにぎわせました。当初は性加害疑惑はないと主張していたのに、微妙に論調が変わり、だんだん良く分からなくなってきました。
※こちらの記事にも書きました。
裁判に注力するために活動を休止する、と言うのも、これまでの芸能ニュースでは見かけなかったパターンであり、目覚めていない人たちの間では混乱が起きていることでしょう。
では記事を出した文春が正義で、松本氏は悪なのか、と言えば、それもよく分かりません。裁判で争うとのことですが、その頃には世間の関心も薄れてしまっているように思われます。
松本氏の事例も、どういう二項対立なのかがはっきりせず、また長い時間をかけないと真偽が全く分からない、という情報にさらされる、という状況が作られていると言えます。
ワクチンをめぐる対立
さらには、これまで続いてきたワクチン推進VS反ワクチン、という対立も、見えにくいものになってきていると思います。
これまではコロナが流行しているムードを作り、「とにかく打て打て!」と専門家がしきりにアピールし、有名人を起用してワクチン接種を推進してきました。
ワクチン推進が正義、反ワクチンが悪かのような構図を作ってきたのが、いよいよ主要メディアでもコロナワクチンの異様な副作用被害の多さを報道するようになりました。
※コロナワクチン副作用被害 3年で過去45年上回る ワクチン問題研究会が厚労省で会見(週刊大阪日日新聞)
これまでは「ワクチンを疑う人はおかしい」という印象操作が行われてきましたが、話はそう単純ではなくなってきました。
また多くの人が望んでいた”コロナ明け”とは、公費負担を4月から全面撤廃になるというニュースでした。
全く清々しいムードではなく、さらにワクチン後遺症の報道と重なって、「結局何が正しかったのか」と、ここでも二項対立が崩壊していく様を見ることができます。
3次元世界を支配する二項対立
こうしてテレビのニュースを眺めてみると、いかに二項対立の構図を作っているものが多いかが分かります。二項対立こそ3次元世界を支配するためのツールである、と言えます。
改めて二項対立による支配の仕組みについて、二項対立の考え方の特徴から考えてみましょう。
0か1かの二択と言う安心感
まず3次元世界の人たちにとって、二項対立の構造は安心感を生み出すものなのです。
なぜなら膨大過ぎる情報の中で何が正しいのかを考えるのはとても難しいことです。そして何が正しいか分からない、と言う状態は不安を生み出します。
しかし0か1かと言う二択であれば、どちらかを選ぶだけ、という極限まで問いを簡単にしたものです。直感だけでどちらかを選ぶことができるのが、二項対立の世界なのです。
しかも二項対立は、0か1かいずれか一方を選ぶと同時に、0と1で世界のすべてを表すことができます。つまり片方は正しい、片方は間違っている、というシンプルな論法が成り立ちます。
ロシアVSウクライナ、ワクチン推進VS反ワクチン、与党VS野党、など単純な対立構造は、確かに分かりやすいものです。しかし二者だけの世界を作り上げると、当然零れ落ちてしまうものがあります。
そのため単純化された世界=幻想の世界が生み出されてしまいます。二項対立の外側に本当は膨大に広がる世界を見なくなってしまう、という大きな欠点があります。
支配に便利な二項対立
二項対立の大きな欠点である、0か1かという単純な構図以外の要素に目を向けさせない、という特徴は、支配のために利用されてしまいます。
そのやり方も至ってシンプルであり、片方を大いに持ち上げ、もう一方をひたすら悪く言うことで、選択肢が一つしかないと思わせる方法です。
こうしたやり方をプロパガンダと言うのは聴いたことがあると思います。プロパガンダとは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為です。
最近ではワクチンにおいて強烈にプロパガンダが行われました。とにかくワクチンが唯一の救済策かのように思わせ、それ以外の対策はないかのような報道が行われました。
また”反ワクチン”と言われる人たちを「陰謀論者」呼ばわりし、逆賊のような扱いをしました。ワクチンを支持する主張だけ国民に見せ、またそれに反する人たちを批判する、まさにプロパガンダです。
ワクチンは良いもの・悪いもの、という単純な二項対立に持ち込み、打つか打たないかだけをとにかく選ばせる状況を作りました。
本来は「ワクチンを打って何が起きるか分からない」状況だったのですが、とにかく打たせるために、二項対立に持って行き、プロパガンダを流しまくったのです。
3次元の人たちは、二項対立に持ち込まれると、その中にはまり込んでしまいます。ただしその二項対立ができるだけシンプルで、例外のない状況を作らないといけません。
最初に述べた最近のニュースでは、シンプルな二項対立が崩れ始め、国民も安易にプロパガンダに乗りにくい状況が生まれつつあるのではないか、と思っています。
二項対立から脱するために – 自分軸で決める世界へ
最後に二項対立の世界から脱するために必要なことを書いておきましょう。
二項対立の世界から抜け出すためには、まず俯瞰の視点をいかに持てるか、が重要になってきます。二項対立は自然に生まれるものは限りなく少ないと思った方が良いでしょう。
自然に生まれるものは、生物学的な性(男と女)、生と死など、まさに自然界に存在する現象くらいしか、二項対立はないのです。
正義と悪、国と国など、人間が作り出した概念(=幻想)は、二項対立としてあったものではありません。国は人が決めたものですし、正義か悪かなどの概念は人それぞれの尺度があるはずです。
二項対立に陥らないためには、俯瞰の視点を持つとともに、最後は自分で決める、という自分軸を持つことが重要です。
二項対立とは、勝手に二択問題にすり替えられることですが、本来生きていくために起きる問いは、全てオープンクエスチョン=回答の制限はないものです。
誰かが決めた選択肢を選ぶのではなく、自分で考えて、自分なりに出した結論こそ、二項対立から脱出する方法です。
現在、旧体制の崩壊が進む中、メディアなどの力も落ちているように思われます。分かりやすい二項対立を作れなくなると、さすがの日本人も違和感を持つようになるでしょう。
二項対立の演劇が崩壊する時、目覚めていない人は大いに混乱するはずです。しかしその時が目覚めのタイミングとも言えるのではないでしょうか。
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